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  • 執筆者の写真信徳寺

カレンダーのことば 2022年2月

ありがとうの一言 真冬でもあったかい


 2月は1年で最も寒い印象があります。寒さは私たちの筋肉をこわばらせ、それにより体全体がこわばります。そうすると活動する意欲も薄れ、心までもこわばっていくような気がします。そこで、体も心もほぐされていく温もりというものが大切になります。環境的に温もりを求めることもさることながら、関係性においても大切です。その一つとして「ありがとう」ということばの持つ温もりを改めて考えてみたいと思います。

 さてこの「ありがとう」ということばは、「めったにない」とか「めずらしい」という意味の「有ることが難しい」という「有難い」から転じて、相手への感謝を示すことばに仕上がったものになります。では、この「ありがとう」の反対の意味を持つことばは何でしょうか。それは「当たり前」だと言います。何の疑問の余地を挟むことない当然のことが「当たり前」です。

 ということは、この「ありがとう」ということばは物事をどのように捉えるのかが根底にあることばと言えましょう。例えば「恩」ということで物事の受け止め方を考えてみます。「恩」とは元々インドの古い言葉から来ているそうで、一つには「思いやり」を表し、また「(私に)してくださったこと」を表すそうです。この「恩」をどう捉えるか、「当たり前」と捉えるのか、「有難い」と捉えるのかによって心豊かに生きることのできる世界がひらけてくるのではないでしょうか。

 先日、北海道に御法座の御縁を賜り出講してきました。ある日、一晩に50センチほどの雪が積りました。普段雪の中で生活をしたことのない私は、たくさん積もったなとか綺麗な雪だなとか見慣れない景色に対して何かを感じるだけでした。その裏で、その日お送りくださるお寺さんは私を送迎する車を出すべく業者に除雪を依頼し、1時間以上遅れてようやく車を動かせる状態になり、そして私を送るべく雪の残った危ない道の中で車を走らせてくださり、またお話しさせていただくお寺さんでは午前中ずっと力仕事である除雪作業をして駐車場や入り口、通路などを確保し、何とか午後からの御法座を開いてくださった場面がございました。私が全然気づいていなかったご苦労に出遇うことができました。約束しているから「当たり前」のことではなく、並々ならぬ「有難い」ご苦労のおかげでその場が仕上がっていることに改めて気づかされたのです。

 さも「当たり前」のように思いながら、本当は「有難い」ことってたくさんあるのではないでしょうか。日常なかなか気づけないことかもしれませんが、もしかすると気づいていないだけで全てがそうなのかもしれません。そして、そのことの鍵になることばが「ありがとう」なのでしょう。心豊かに生きることのできるヒントが今月のカレンダーのことばにあるのだと、改めて感じることでした。

住職 小西善憲




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