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  • 執筆者の写真信徳寺

カレンダーのことば 2022年7月

 ご門徒の皆様にお配りしている直枉会カレンダーの毎月のことばの解説や味わいをお参りの際に配布しています。

 今月は「アミダさまのお救いは 年中無休」です。


 阿弥陀如来という仏様は寿命無量・光明無量の存在です。寿命無量というのは、量ることのできないいのちを持った存在であり、光明無量というのは量ることのできない光の存在であることを表します。そのことから時間的に空間的に限りがない存在であり、いつでもどこでもこの私にご一緒の仏様と伺うのです。今月のことばは、そのことを「お救いは年中無休」としてくださっています。

 この「いつでもどこでも」ということは、私たちのいのちにとって大切なことではないでしょうか。以前、「ヒョウタン文化誌(湯浅浩史著/岩波新書)」という本を読みました。これは人類にとって最古の栽培植物であるヒョウタンがどのように人類の繁栄に関わってきたのかを記した本でした。人類がアフリカに誕生し、そこから世界中に拡がって行った背景にヒョウタンの存在が不可欠だと言うのです。その理由として、水をいつでもどこでも飲むことができるようになったからだと言います。ヒョウタンを水筒がわりにして、持ち運びができるようになった結果、どんどんと生活拠点が拡大され、世界中に人類が拡がっていったのです。生命の維持に不可欠な水をいつでもどこでも飲める道具としてヒョウタンの水筒が利用されたのです。いつでもどこでもだからこそ、思うままに栄えることができたのです。

 私たちのいのちは、いつ何時、どこでどうなるかわからないいのちを生きています。そのいのちを見抜いて「いつでもどこでも」の存在になってくださったのが阿弥陀如来です。私たちに対し、この時だけとか、ここまで来いとか、時間的や空間的な条件は付けません。南無阿弥陀仏のはたらきの仏様になり、あなたを救う阿弥陀がいるからまかせてくださいねと絶えずこのいのちに告げ続けてくださるお方です。私たちの口から出る南無阿弥陀仏のお念仏は、この私のところで「あなたを救う阿弥陀がいるよ、まかせてね」と活動してくださっている証拠と受け止め、だからこそいつでもどこでもご一緒と伺っていきます。いのちの営みを続けていく中に、私たちに条件を付けることなく、いつでもどこでもご一緒にいてくださる中に影響を与え続けてくださる存在です。

 だからこそ、精一杯このいのちを生き抜くことができます。どこまでいっても自分の都合の範囲内でしか生きることのできない私たちに、その事実を告げ続け、その生き方が危ういことを知らせ続け、そしてそういう私たちだからこそ放ってはおけないというお方が、いつでもどこでも年中無休私のいのちにご一緒だと伺う、今月のカレンダーのことばでした。




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