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  • 執筆者の写真信徳寺

信徳寺秋季彼岸永代経法要

2020年9月22日に信徳寺の秋季彼岸永代経法要をお勤めいたしました。

新型コロナウイルス感染症の流行を考慮した形でのお勤めといたしました。

各席のソーシャルディスタンスの確保、手洗い消毒の励行、マスクをお願いし、

法話も口頭で行うのではなく文書にて配布するという形で行いました。

私たちの中に何か不安の種が潜み続ける現状です。

おそらくこれより先、

夏期のインフルエンザの減少などから感染症の実情を知ってしまった我々は、

元どおりということではなくその状況を無視できない生活を

行わなければならないでしょう。


大衆唱和と聴聞が真宗の要であります。

いかにしてこの原点を大切にしながら、

不安なく阿弥陀様のおはたらきをお聞かせに預かるか、

これからも苦心して法要をお勤めさせていただきます。


 

信徳寺秋季彼岸永代経 表白

敬って大慈大悲の阿弥陀如来の尊前に申しあげます

本日ここに信徳寺秋季彼岸永代経

並びに信徳寺墓地無量寿堂彼岸会をお勤めいたします

顧みますと

人の世は全て移ろいゆくものであり

永代にわたって留まるものは仏のみであります

我らのいのちのことわりは

悲しくも独り生まれ独り終えていかねばならず

大切な方とも必ず別れて行かねばならぬものでもあります

それ故に仏は我らを憐れみ浄土を建立されました

さきに生まれゆくものはのちを導き

のちに生まれゆくものはさきをたずねる

彼の岸、浄土に往生された今は亡き先人のみあとを

南無阿弥陀仏の本願のはたらきの中で

今まさに歩ませていただく我らでありました

本日ここに

恭しく尊前を荘厳し有縁の人々を偲び

永代にわたってこの経が大切にされることを念じながら

ともにますます聴聞に励み如来の慈光に照らされて

本願念仏慶びつつ倶会一処の妙果をえんことを

信徳寺 釋善憲 ここに申しあげます


 

法話

                         

 生死の苦海ほとりなし

 ひさしくしづめるわれらをば

 弥陀弘誓のふねのみぞ

 のせてかならずわたしける (親鸞聖人『高僧和讃/龍樹讃』)

 輪廻という迷いから解脱し、苦しみから解き放たれた悟りの身となることが仏教の目的です。この御和讃は親鸞聖人がお示しになられたもので、輪廻という生まれかわり死にかわり続ける「迷い」の中にあった私たちを、阿弥陀如来が南無阿弥陀仏の船に乗せて必ずお救いくださるという内容の御和讃です。どこからきてどこに行くのかわからない迷子のようないのちを生きている私たちの状態を、思うようにならないことすなわち苦しみと表します。海のごとき果てがない苦しみの中に、長く沈み続けてきた私たちを憐れみ立ち上がってくださった阿弥陀如来は、苦海から抜け出す要素を何も持ち合わせていない私たちに全てをご準備くださいました。それを船に乗せて必ず渡すと表現されています。本日は彼岸です。悟りの身とならせていただく浄土、彼の岸に必ず渡す南無阿弥陀仏へのご縁がこのお勤めです。

 先日、七夕にこういったことがございました。娘が幼稚園で願い事の短冊を書いて持ち帰ったのですが、その内容が「大きくなったら車になれますように」でした。幼稚園の先生も乗れますようにではないかと何度も確認をしてくださったそうですが、娘は「なれますように」だと譲らなかったそうです。親としてはやはり娘の夢は叶えてあげたいなと思うのですが、なかなか難しい宿題をもらいました。実際に車になることはできないでしょうが、仏教の文脈の中では車のごとき乗り物となることはできるのです。

 「誓願一仏乗」という言葉がございます。阿弥陀様の生きとし生けるものみなもらさず救うという誓いは一つの大きな乗り物ですということです。すなわち南無阿弥陀仏は大きな私たちを救う乗り物です。阿弥陀様の世界、お浄土で仏様となる方は阿弥陀様と同じようなお悟りの身となっていきます。そしてお浄土に留まらず、他のものを救うべく阿弥陀様のおはたらきをおすすめになってくださいます。すなわち南無阿弥陀仏の中に、阿弥陀様や仏となってくださった方々がご一緒と受け止めていけます。むしろ南無阿弥陀仏が仏様そのものと受け止めていけます。ということは大きな乗り物となってくださっていると味わうことができるのです。いずれ私も娘もいのちを終えていきます。私が先か娘が先かわかりませんが、この世の縁が尽きお浄土で仏となったらお互いに他のものを救う乗り物、南無阿弥陀仏にならせていただく、「車になれますように」が成立する世界があるのです。

 本日は永代経のご縁でもあります。これから先の未来も、老少不定、何が起こるかわからないいのちを生きざるを得ない私たちに、のせてかならずわたす船と永代にわたって出遇って行くご縁として続けていけることを念じるばかりです。         

                                      合掌



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