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  • 執筆者の写真信徳寺

2022年10月の掲示板

あなたがどこかで寂しいときは あなたに微笑む空になりたい

〜「あなたがどこかで」安全地帯〜


 今月の掲示板のことばは、安全地帯さんの「あなたがどこかで」という曲の一節になります。この曲は今年40周年を迎えられた安全地帯さんがN H Kの「みんなのうた」に提供された歌で、この6・7月に放送されていました。昨今のコロナ禍の状況の中で、物理的な距離を取らざるを得ない日々の中で今までのように会えないけれど人は決して一人じゃないということ、またその中でも心の距離だけは変わらずにいたいということ、そして誰かにきっと守られているということなど、そのような思いを込められた曲だそうです。この曲を聞かせていただきながら、仏さまのお心を伺うことでした。

 さて仏さまのお心を表すことばに「慈悲」というものがあります。苦を除き楽を与えるという意味になります。この「慈」ということばはインドの古いことばで「マイトリー」と言い、人々への深い親愛の心を表します。また「悲」ということばは「カルナー」と言い、人々の苦しみを共感する心を表します。そこからこの「慈悲」ということばを、あなたのよろこびを我がよろこびとし、あなたの悲しみを我が悲しみとするような心として表現されます。そして特にはこの他者の苦しみを何とかしたいと願う心として大悲ということばで強調されます。そのような心を仏さまから届けられていると伺います。

 仏さまのおすがたは世界に遍満すると言います。どこにでもすみずみまで居てくださるお方が仏さまです。私がどこにいようとも、「あなたがどこかで」とお心を届け続けてくださいます。この私を決して一人ぼっちにはしないよとお心を届け続けてくださっているのです。

 浄土真宗ではこのことを阿弥陀如来に伺います。阿弥陀如来は生きとし生けるものを皆もらさず救うと願われ、その願いを完成した仏さまです。苦悩から解き放たれたおさとりの身である仏に阿弥陀如来の世界、浄土で仕上げてくださいます。そのことを私たちに届く声となって「南無阿弥陀仏(阿弥陀にまかせてね)」と私いっぱいに響き、私にその存在を聞こえ知らしめてくださいます。この阿弥陀如来のおすがたに、慈悲の心を感じていきます。この私の抱える苦しみを何とかしたいと救う道を完成させ、お心を届けてくださっているのです。ちなみに先の曲にはこのような歌詞もあります。

      「忘れないで 何度でも言うよ あなたは一人じゃない」

「あなたがどこかで泣きたいときは あなたを守れる愛になりたい」

玉置浩二さんの穏やかな声を聞きながら、私に届く仏さまのお心を伺わせていただきました。

住職 小西 善憲




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